パーム油は、なぜEUの森林破壊規制の対象になっている?
EUは、森林の減少・劣化への影響を減らすため、パーム油を含む品目に、森林破壊と結びついていないことの証明を求める規則を作りました。論点は「使うかどうか」より「産地を確かめられるか」です。
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EU(欧州連合)が、森林の減少・劣化への影響を減らす目的で、パーム油を含む品目に、「最近、森林を伐採した土地で作られたものではない」ことの証明などを求める規則を作ったからです。求められているのは、使用の禁止ではありません。
なぜ?
欧州委員会の説明によると、EUの森林破壊防止規則(EUDR)は、牛、木材、カカオ、大豆、パーム油、コーヒー、ゴムと、その一部の派生品を対象にしています。目的は、「森林破壊を伴わない」製品の消費を増やし、世界の森林減少・劣化に対するEUの影響を減らすことです。事業者は、製品が最近森林を伐採した土地に由来しないことを示せなければならず、法令に従った生産であることなども求められます。
日本にとっても無関係ではありません。ジェトロ・アジア経済研究所の分析(2026年2月)は、日本がパーム油や天然ゴムの9割以上を東南アジアから輸入しており、規制対応済みの調達先の確保や、調達コストの上昇に備えることが不可欠になっている、と述べています。同分析は、世界最大の産地インドネシアでは、作付面積の約4割を小規模農家が占めると述べ、リアウ州の事例では、小規模農家の規則への対応の遅れが確認されたとしています。
パーム油を使わなければ解決?
規則が求めているのは、パーム油の使用そのものの禁止ではなく、産地が森林破壊と結びついていないことを、確認して示せることです。「使うか使わないか」より、「どこで、どう作られたかを確かめられるか」が問われています。
同分析は、EUへ製品を輸出している多国籍企業のサプライチェーンに組み込まれている場合は、域外の企業でも規制の対象になる、と述べています。適用時期は見直されてきたため、最新の予定は欧州委員会などの一次情報で確認します。
ここだけ覚える
論点は、パーム油を使うかどうかより、「森林を壊していない産地のものだと確かめられるか」です。 規則の細かい中身より先に、自社や取引先のパーム油が、どこから来ているかを確認します。
より詳しく
- 日本の調達への影響と、適用時期の整理:EU森林破壊規制(EUDR)と日本の調達——再延期後の適用時期と何が変わるか
- 混同されやすいCBAMとEUDRの違い:CBAMとEUDR、何が違うか——混同されやすい2つのEU規制を整理する
参照資料
- 欧州委員会「Regulation on deforestation-free products」(規則の公式説明ページ。ページに更新日の明記なし). environment.ec.europa.eu
- ジェトロ・アジア経済研究所 アジ研ポリシー・ブリーフ No.254「森林破壊防止規則(EUDR)への対応と課題:インドネシア産パーム油を事例に」(2026年2月13日)(研究機関による分析。執筆者個人の見解で、機関の公式見解ではないと明記). ide.go.jp