売れ残りや食品工場の残りは、どこへ回される?
日本の制度では、まず出さないこと、次に家畜のエサ(飼料)、肥料、きのこの培地、メタン化など、熱として使うのはその後、という順が基本とされています。その考え方を短く整理します。
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日本の制度では、まず食品の残りを「出さない」ことが最優先です。出てしまったものは、家畜のエサ(飼料)、肥料、きのこ栽培の培地、メタン化などの順に再生利用し、熱として使うのは、それが難しい場合です。
なぜ?
農林水産省などが定めた「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(令和7年3月14日策定)は、食品廃棄物等の発生の抑制を最優先とし、次に、飼料や肥料などの原材料としての再生利用を進めるとしています。再生利用がむずかしく、一定以上の効率でエネルギーを得られる場合に限って、熱回収を行います。この枠組みは、食品の製造・販売・外食などの事業者を対象にしたもので、家庭の食品ごみは、市町村が中心に取り組む、とされています。
再生利用の中では、飼料化を優先的に選ぶことが重要とされています。理由として、食品の成分や熱量(カロリー)を最も有効に活用できること、飼料自給率の向上に寄与すること、輸入飼料に比べて安定した価格で流通することが挙げられています。飼料化が困難な場合は、可能な限り肥料化を行い、それも難しければ、きのこ栽培の培地への活用、さらにメタン化などの再生利用を行う、という順です。
新しい技術が先ではないのか?
エネルギーをつくる方法のほうが新しく見えるため、優先されると思われがちです。しかし、メタン化も再生利用の一つで、同じ方針は、飼料・肥料・培地の消費が少ない都市部でも需要があり、受け皿として有効だと述べています。順序は、技術の新しさではなく、食品の成分や熱量を、資源としてどれだけ有効に使えるかが基本になっています。
ただし、これは制度が示す優先順位です。基本方針も、肥料化は利用先の確保を前提とすること、培地への活用は地域の需要に応じること、メタン化は飼料・肥料などの受け皿が難しい地域で有効なことに触れていて、実際に選べる方法は、食品の性質や、近くの受け入れ先に左右されます。
ここだけ覚える
食品の残りの行き先には、制度が示す優先順位があります。 「出さない」、飼料、肥料、きのこの培地、メタン化など、そして熱回収の順で、新しい技術の順ではありません。「食品廃棄物をエネルギーに」というニュースを見たら、どの方法か(メタン化か、焼却して熱を使うのか)と、前の選択肢が難しい理由を確認します。
より詳しく
- 食品ロスの範囲と、発生量と使える量の違い:食品ロスとは何か——発生する段階と、資源として使える量は別問題
- なぜ資源化がコストで負けやすいのか:食品ロス系副産物の商業化はなぜコストで負けるのか
- 飼料化と肥料化の、条件による判断:食品残渣は飼料化と肥料化のどちらが成立するか——条件で判断する
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参照資料
- 農林水産省「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(令和7年3月14日策定)(国の方針を定めた文書). maff.go.jp
- 農林水産省「食品廃棄物等の再生利用等の目標について」(基本方針の公表日の確認に使用。ページに更新日の明記なし). maff.go.jp